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金利のある時代に備える

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金利上昇時代の借り換え判断|変動から固定への切り替え基準

政策金利の引き上げで中小企業の借入金利が上昇しています。変動金利から固定金利への借り換えを検討すべきタイミング、判断基準、手続きの流れを解説。約30年ぶりの金利のある時代に備える実務ガイドです。

約30年続いたゼロ金利の時代が終わりました。日銀は2024年3月にマイナス金利を解除し、2025年12月には政策金利を0.75%に引き上げています。2026年中にさらなる利上げが行われる可能性も取り沙汰されており、変動金利で借入をしている中小企業にとって、金利負担の増加は経営課題として無視できなくなっています。

変動金利のまま様子を見るか、固定金利に切り替えるか。この判断は返済期間や借入残高、資金繰りの余裕度によって異なります。本記事では、金利上昇局面で借り換えを検討する際の判断基準と実務手順を解説します。

金利上昇が中小企業に与える影響

変動金利の仕組みと上昇幅

中小企業向け融資の変動金利は、短期プライムレート(短プラ)を基準に設定されるのが一般的です。短プラは政策金利に連動して動くため、日銀の利上げは数か月以内に融資金利に反映されます。

2024年3月のマイナス金利解除以降、短プラは段階的に引き上げられました。借入時の金利が1.0%だった企業は、現在1.5〜1.75%程度まで上昇しているケースが多くなっています。借入残高が5,000万円であれば、年間25〜37万円の利息増加に相当します。

金利上昇が資金繰りに効く理由

金利の上昇幅は0.5〜0.75%と、率だけ見れば小さく感じるかもしれません。しかし中小企業の場合、借入金が複数本あることが多く、合計残高で見ると負担増は大きくなります。

借入総額が1億円の企業で金利が0.75%上昇すると、年間75万円の利息増。これは月間6万円以上の固定費増加を意味します。コロナ融資の返済が本格化している企業では、元金返済の負担に金利上昇分が上乗せされる形になり、資金繰りへの影響が二重に効いてきます。

借り換え判断の基準

変動金利を維持してよいケース

以下の条件に該当する場合は、変動金利のまま維持する判断も合理的です。

  • 残りの返済期間が5年以内で、金利上昇の影響を受ける期間が限定的
  • 手元資金に余裕があり、金利が1%上昇しても返済に支障がない
  • 業績が好調で、金利上昇分を吸収できる利益率がある

変動金利は固定金利より低い水準で推移する期間が長い傾向があるため、短期間で返済を終える融資であれば、変動のまま持つほうが総支払額は少なくなる可能性があります。

固定金利への切り替えを検討すべきケース

一方、以下のような状況では固定金利への借り換えを検討してください。

  • 返済期間が10年以上残っている長期融資がある
  • 毎月の返済額が変動すると資金繰り計画に影響する
  • 今後の利上げで金利がさらに上がるリスクを避けたい
  • 複数本の変動金利融資があり、金利上昇の影響が大きい

判断の目安

現在の変動金利と固定金利の差が1%以内であれば、長期融資は固定への切り替えを検討する価値があります。金利差が大きい場合は、変動のメリットが残っています。

借り換えの実務手順

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ステップ1: 借入の棚卸し

まず、現在の借入状況を一覧にします。金融機関名、借入残高、適用金利(変動/固定)、残りの返済期間、月々の返済額を整理します。資金調達計画のフォーマットを使うと整理しやすくなります。

ステップ2: シミュレーション

変動金利のまま返済を続けた場合と、固定金利に切り替えた場合の利息総額を比較します。変動金利のシミュレーションでは、今後さらに0.25〜0.5%の利上げがあった場合のシナリオも試算しておくと判断材料になります。

比較する際は、借り換えにかかる費用(繰上返済手数料、事務手数料、保証料など)も含めて計算してください。費用を差し引いてもメリットがある場合に借り換えを進めます。

ステップ3: 金融機関との交渉

借り換えの前に、まずメインバンクに条件変更を相談します。「金利の引き下げ」「固定金利プランへの変更」を申し出ることで、他行への借り換えを行わずに条件を改善できる場合があります。銀行融資の基本で解説している交渉のポイントも参考にしてください。

メインバンクで対応が難しい場合は、他行からの借り換えを検討します。[信用保証協会](/shikin-choutatsu/shinyo-hosho-kyokai-katsuyo/)の保証付き融資であれば、借り換え先の金融機関でも保証を引き継げる場合があります。

メインバンクとの関係に配慮する

他行への借り換えはメインバンクとの関係に影響する可能性があります。追加融資が必要になった際の対応も含めて総合的に判断してください。

金利上昇に備える財務体質の強化

借り換えだけでなく、金利上昇に強い財務体質を作ることも重要です。

手元資金の積み増しが第一の対策です。月商の2〜3か月分の運転資金を確保しておけば、金利上昇による返済増にも対応しやすくなります。資金繰り改善の手法を組み合わせて、現金を厚くする取り組みを進めてください。

借入の長短バランスも点検してください。短期借入に偏っている場合は、借り換えのタイミングで長期固定に組み替えることで、金利変動リスクを抑えられます。

まとめ

金利上昇時代の借り換え判断ポイント

  • 政策金利0.75%。変動金利型の融資は借入時より0.5〜0.75%程度上昇している
  • 返済期間10年以上の長期融資は、固定金利への切り替えを検討する価値がある
  • 借り換え前にメインバンクへ金利引き下げ・条件変更を相談するのが実務の基本
  • 借り換え費用(繰上返済手数料・保証料等)を含めた総コストで比較する
  • 借り換えと並行して、手元資金の積み増しや借入の長短バランス見直しも進める

金利上昇への対応や借り換えについて具体的なご相談がある方は、無料相談からお問い合わせください。

よくある質問

Q. 中小企業の借入金利はどのくらい上がっていますか?
A. 日銀は2024年3月にマイナス金利を解除し、2025年12月には政策金利を0.75%まで引き上げました。変動金利型の融資は短期プライムレートに連動するため、借入時より0.5〜0.75%程度上昇している企業が多い状況です。
Q. 変動金利と固定金利、どちらを選ぶべきですか?
A. 残りの返済期間が短い(5年以内)場合は変動金利のまま様子を見る選択も合理的です。返済期間が10年以上残っている場合や、月々の返済額が変動すると資金繰りに影響する場合は、固定金利への切り替えを検討すべきです。
Q. 借り換えにはどのような費用がかかりますか?
A. 既存融資の繰上返済手数料、新規融資の事務手数料、信用保証料(保証協会付きの場合)、登記費用(担保変更がある場合)などが発生します。借り換えで削減できる利息総額と費用を比較し、メリットがあるかを事前に試算してください。
Q. メインバンク以外からの借り換えは可能ですか?
A. 可能です。ただしメインバンクとの関係悪化を避けるため、まずメインバンクに金利引き下げや条件変更を相談し、対応が難しい場合に他行からの借り換えを検討する順序が実務的です。

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