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補助金・助成金

人材開発支援助成金の活用法|社員研修で受給

人材開発支援助成金の制度概要と活用法を解説。各コースの受給要件・助成額・対象となる研修の種類から、申請手続きの流れと注意点まで、中小企業の人事・経理担当者向けに整理しています。

社員の研修やスキルアップに投資したいが、予算が限られている。中小企業の経営者や人事担当者にとって、人材育成のコストは悩みの種です。厚生労働省の「人材開発支援助成金」は、職業訓練(研修)を実施した事業主に対して訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成する制度で、企業の人材投資を後押しします。本記事では、主要なコースの概要と受給要件、申請手続きのポイントを解説します。

人材開発支援助成金の制度概要

人材開発支援助成金は、雇用保険の適用事業所の事業主が、従業員に対して職務に関連する専門知識や技能を習得させるための訓練を実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金を助成する制度です。職業能力開発促進法に基づく雇用関係助成金として位置づけられています。

主なコースの種類

人材開発支援助成金は複数のコースで構成されています。中小企業が活用しやすい主なコースは次のとおりです。

人材育成支援コースは、OFF-JT(職場外訓練)やOJT(職場内訓練)を組み合わせた職業訓練を実施する場合に利用できます。10時間以上のOFF-JTが基本要件で、経費助成と賃金助成の両方を受けられます。

教育訓練休暇等付与コースは、有給の教育訓練休暇制度を導入し、労働者がその休暇を取得して訓練を受けた場合に助成されるコースです。自発的な学びを支援する企業風土の醸成に役立ちます。

人への投資促進コースは、高度デジタル人材の育成やサブスクリプション型の研修サービス利用など、時代の変化に対応した人材育成を支援するコースです。

事業展開等リスキリング支援コースは、新規事業の立ち上げやDX推進に伴い、従業員のリスキリング(新しい分野の知識・スキル習得)を行う事業主を支援します。

助成額の概要

コースや企業規模によって異なりますが、中小企業の場合の目安は以下のとおりです。

助成内容中小企業の助成率・助成額
経費助成対象経費の45%〜75%
賃金助成1人1時間あたり760円
OJT実施助成1人1時間あたり20万円(訓練終了後)

経費助成率は訓練の種類や対象者によって変動します。正規雇用への転換を伴う訓練や、デジタル分野の訓練では助成率が引き上げられる場合があります。

対象となる訓練の要件

助成金の対象となる訓練には、いくつかの基本要件があります。

OFF-JT(職場外訓練)の要件

  • 実訓練時間が10時間以上であること(人材育成支援コースの場合)
  • 業務に関連する専門的な知識・技能の習得を目的としていること
  • 事業主が費用を負担して実施すること
  • 通常の業務と区別して実施される訓練であること

外部の研修機関(民間研修会社、大学、専門学校など)への委託訓練も対象です。eラーニングや通信制の訓練が認められるコースもあります。

対象外となる訓練

以下のような訓練は助成対象外です。

  • 趣味・教養を目的とする訓練
  • 法令で実施が義務づけられている訓練(特定の安全衛生教育など、別途要件を満たす場合を除く)
  • 通常の業務の遂行の過程で行われる訓練(OJTとして認められるもの以外)
  • 自社の商品やサービスの説明を目的とする訓練

対象となる労働者

原則として、雇用保険の被保険者である従業員が対象です。コースによっては有期契約労働者や正規雇用労働者に限定される場合があります。役員は対象外です。

申請手続きの流れ

人材開発支援助成金の申請は、事前の計画届提出が必須です。手続きの流れを確認しましょう。

訓練実施計画の届出

訓練を開始する1か月前までに、「訓練実施計画届」を事業所の所在地を管轄する都道府県労働局に提出します。計画届には、訓練の内容、期間、対象者、経費の見積もりなどを記載します。

この計画届の提出が最も重要なステップです。計画届を提出せずに訓練を開始した場合、助成金を受給できません。

訓練の実施と記録

計画届が受理された後、計画に沿って訓練を実施します。訓練の実施にあたっては、以下の記録を残しておく必要があります。

  • 訓練日誌(訓練内容、時間、受講者の記録)
  • 出席簿(受講者の出席状況)
  • カリキュラム・テキスト
  • 外部研修の場合は受講証明書や修了証

支給申請

訓練完了後2か月以内に、「支給申請書」を管轄の労働局に提出します。申請書には、訓練の実績や経費の支出を証明する書類(領収書、振込記録など)を添付します。

労働局での審査を経て、おおむね2〜4か月後に支給が決定されます。

活用のヒントと注意点

年度の訓練計画を立てる

助成金の活用を単発で終わらせるのではなく、年度単位の人材育成計画として組み立てると、継続的に活用できます。階層別研修(新人研修、中堅研修、管理職研修)やスキル別研修(IT、マーケティング、財務など)を計画し、それぞれに適したコースを選択しましょう。

外部研修と社内研修の組み合わせ

外部の研修機関に委託するOFF-JTと、社内のベテラン社員が指導するOJTを組み合わせることで、実践的なスキル習得と助成額の最大化を両立できます。

不支給となるケース

以下の場合は不支給となるため、事前に確認してください。

  • 訓練実施計画届を訓練開始前に提出していない
  • 訓練時間が所定の時間数に満たない
  • 受講者の出席率が基準を下回っている
  • 経費の証憑書類が不足している
  • 支給申請が期限を過ぎている

まとめ

人材開発支援助成金の活用にあたって、押さえておくべきポイントは次の3つです。

  • 訓練実施計画届は訓練開始の1か月前までに労働局へ提出する必要があり、事前届出なしで訓練を開始すると助成金は受給できない
  • 中小企業の経費助成率は45〜75%と手厚く、外部研修費用やeラーニングの受講料も対象となるため、人材育成コストの大幅な軽減が可能
  • 訓練日誌や出席簿などの記録管理を徹底し、支給申請時に提出できる体制を整えておくことが確実な受給のカギとなる

社員の能力開発は企業の成長に直結する投資です。人材開発支援助成金を活用して、計画的な人材育成を進めていきましょう。

よくある質問

Q. 人材開発支援助成金はどのような研修が対象になりますか?
A. OFF-JT(座学や集合研修)やOJT(実務を通じた訓練)が対象です。業務に関連する専門的な知識・技能の習得を目的とした訓練であり、訓練時間が一定時間以上(コースにより10時間以上など)であることが基本要件です。趣味や教養に関する訓練は対象外です。
Q. 外部の研修機関に委託した研修費用も助成対象ですか?
A. はい。外部の教育訓練機関、研修会社、大学等に委託して実施する研修(外部研修)の受講料や教材費は、経費助成の対象です。ただし、事業主が事前に訓練実施計画を提出し、管轄の労働局から認定を受ける必要があります。
Q. パート・アルバイトの研修でも助成金はもらえますか?
A. 雇用保険の被保険者であれば、パートタイム労働者や契約社員も対象となります。ただし、コースによっては正規雇用労働者に限定されるものもあるため、申請前に各コースの要件を確認してください。
Q. 申請から支給までどのくらいかかりますか?
A. 訓練実施計画の提出から訓練完了後の支給申請まで、全体で6か月〜1年程度かかるのが一般的です。訓練完了後の支給申請から実際の支給までは、労働局の審査に2〜4か月程度を要します。

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