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補助金・助成金

労働移動支援助成金の活用法|早期雇入れ支援コースを中心に

労働移動支援助成金の概要、支給要件、申請手順を解説。早期雇入れ支援コースと中途採用等支援コースの違い、受給額、活用時の注意点を中小企業の人事担当者向けにまとめます。

労働移動支援助成金は、事業規模の縮小や事業の転換に伴って離職を余儀なくされた労働者の早期再就職を促進するための助成金制度です。雇用保険法に基づく雇用安定事業として厚生労働省が所管しています。離職者を送り出す側の事業主と、受け入れる側の事業主の双方が活用できる点が特徴です。本記事では、早期雇入れ支援コースを中心に、制度の仕組みと活用方法を解説します。

労働移動支援助成金の概要

労働移動支援助成金は、産業構造の変化や経営環境の悪化等により事業規模を縮小せざるを得ない場合に、離職を余儀なくされた労働者の円滑な再就職を支援することを目的としています。雇用調整助成金が雇用の維持を目的とするのに対し、労働移動支援助成金は労働者の再就職(労働移動)を支援する制度であるという点で趣旨が異なります。

コースの構成

労働移動支援助成金には主に以下のコースがあります。

早期雇入れ支援コースは、再就職援助計画の対象者を離職後早期に雇い入れた事業主に対して支給されます。中途採用等支援コースは、中途採用者の雇用管理制度を整備し、中途採用率を向上させた事業主に対して支給されます。

いずれのコースも雇用保険の適用事業所であることが前提条件です。

早期雇入れ支援コースの詳細

支給要件

早期雇入れ支援コースの支給を受けるためには、以下の要件を満たす必要があります。

再就職援助計画の認定を受けた事業所から離職した労働者を雇い入れること、対象者を離職日の翌日から3か月以内に期間の定めのない労働者として雇い入れること、対象者を雇用保険の被保険者として雇い入れること、雇い入れた対象者を継続して雇用することが見込まれること。

再就職援助計画は、労働施策総合推進法(旧・雇用対策法)第24条に基づき、事業主が作成してハローワークに提出する計画書です。事業規模の縮小等に伴い1か月以内に30人以上の離職者が発生する場合は、再就職援助計画の作成が義務付けられています。30人未満の場合でも任意で作成・提出が可能であり、助成金の対象となります。

支給額と加算措置

早期雇入れ支援コースの基本的な支給額は、対象者1人あたり30万円です。

これに加えて、雇入れ後に対象者に対して一定の訓練を実施した場合には、訓練費用に応じた加算が受けられるケースがあります。訓練の内容や加算額は公募要件によって異なるため、最新の支給要領を確認してください。

申請手続き

支給申請は、対象者を雇い入れた日の翌日から起算して6か月が経過した日から2か月以内に、管轄の労働局またはハローワークに行います。申請書類には、雇用契約書の写し、再就職援助計画対象者であることの確認書類、出勤簿や賃金台帳の写しなどが必要です。

申請書類に不備があると審査が遅延したり、支給が認められなかったりする可能性があるため、事前にハローワークの窓口で必要書類を確認することをおすすめします。

中途採用等支援コースの概要

中途採用等支援コースは、中途採用者の雇用管理制度の整備と中途採用率の向上に取り組んだ事業主を支援するコースです。中途採用計画を策定し、中途採用率を一定以上向上させた場合に助成金が支給されます。

中小企業における中途人材の確保は年々重要性を増しており、即戦力人材の採用促進を後押しする制度として位置づけられています。支給額や支給要件は公募回によって変更される場合があるため、詳細は厚生労働省のウェブサイトで最新の情報を確認してください。

雇用調整助成金との使い分け

企業が経営環境の悪化に直面した場合、雇用調整助成金で雇用を維持する方法と、労働移動支援助成金を活用して円滑な再就職を支援する方法の2つの選択肢があります。

雇用調整助成金は、一時的な業績悪化の場合に休業・教育訓練・出向によって雇用を維持する際に活用します。一方、労働移動支援助成金は、構造的な経営環境の変化により事業規模の縮小が避けられない場合に、離職者の早期再就職を支援する際に活用します。

どちらの制度が自社の状況に適しているかは、経営環境の変化が一時的なものか構造的なものかによって判断します。判断に迷う場合は、管轄のハローワークや社会保険労務士に相談してください。

活用時の注意点

労働移動支援助成金の活用にあたっては、いくつかの注意点があります。

対象者が再就職援助計画の対象者であることの確認が不可欠です。再就職援助計画に記載されていない離職者を雇い入れても助成金の対象とはなりません。また、過去に不正受給を行った事業主は助成金の申請が認められない場合があります。

さらに、対象者を雇い入れた後に短期間で離職させた場合や、事実上の派遣・請負に該当するような就業形態の場合は、不支給となる可能性があります。助成金の趣旨に沿った実質的な雇用であることが求められます。

まとめ

  • 労働移動支援助成金は、離職を余儀なくされた労働者の早期再就職を支援する制度であり、送り出し側と受け入れ側の双方が活用できる
  • 早期雇入れ支援コースでは、再就職援助計画の対象者を3か月以内に無期雇用で雇い入れた場合に1人あたり30万円が支給される
  • 雇用調整助成金との使い分けは経営環境の変化の性質によって判断し、不明な場合はハローワークや社会保険労務士に相談する

よくある質問

Q. 労働移動支援助成金とはどのような制度ですか?
A. 労働移動支援助成金は、事業規模の縮小等に伴い離職を余儀なくされた労働者の再就職を支援するための厚生労働省所管の助成金です。再就職援助計画を作成して対象者の早期再就職を支援した事業主や、離職者を早期に雇い入れた事業主に対して助成金が支給されます。
Q. 早期雇入れ支援コースの支給額はいくらですか?
A. 早期雇入れ支援コースでは、対象者を離職日の翌日から3か月以内に期間の定めのない労働者として雇い入れた場合、1人あたり30万円が支給されます。さらに、賃金が離職前を上回る場合や、一定の訓練を実施した場合に加算が受けられる場合があります。
Q. 中小企業でも労働移動支援助成金を活用できますか?
A. はい。労働移動支援助成金は企業規模を問わず活用できます。特に中途採用等支援コースでは、中途採用率を向上させた中小企業に対する優遇措置があります。
Q. 再就職援助計画とは何ですか?
A. 再就職援助計画とは、事業規模の縮小等に伴い離職を余儀なくされる労働者に対して、再就職の支援措置を定めた計画書です。雇用対策法(現・労働施策総合推進法)第24条に基づき、大量雇用変動届の対象となる場合には再就職援助計画の作成がハローワークへの提出義務とされています。

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