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登記簿謄本の取り方・見方・費用【3分で分かる】

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登記簿謄本の取り方・見方・費用【3分で分かる】

登記簿謄本が急に必要になった方へ。法務局窓口・オンライン請求の取得手順、費用(480〜600円)、記載内容の読み方を解説。不動産登記・商業登記どちらにも対応しています。

登記簿謄本は、法務局(登記所)に保管されている登記記録の内容を証明する書類です。不動産登記簿謄本と商業登記簿謄本(法人の登記事項証明書)があり、それぞれ不動産の権利関係や法人の基本情報を確認するために使用されます。

登記簿謄本とは

現在の正式名称は「登記事項証明書」です。コンピュータ化以前に紙の登記簿から写しを作成していた時代に「謄本」と呼ばれており、その呼称が今も一般的に使われています。

不動産登記事項証明書には、土地・建物の所在・面積、所有者、抵当権・質権などの担保権の設定状況、差押え・仮処分の有無といった権利関係が記載されます。法人の登記事項証明書(商業登記)には、会社の商号、本店所在地、設立年月日、目的(事業内容)、資本金、役員の氏名と住所などが記載されます。

記載内容の詳細

不動産登記事項証明書は、「表題部」と「権利部」に分かれています。表題部には土地・建物の物理的な概要(所在、地目、面積など)が記載されます。権利部は「甲区」と「乙区」に分かれており、甲区には所有権に関する事項(所有者の変遷、差押え、仮処分など)が、乙区には所有権以外の権利(抵当権、根抵当権、地上権など)が記載されます。

抵当権の記載内容を確認することで、その不動産に設定された担保の債権者(通常は金融機関)、担保する債権の額(設定金額)、債務者が誰かを確認できます。担保設定状況は、取引先の財務状況を把握する手がかりの一つとなります。

法人の登記事項証明書には、「現在事項証明書」(現時点の情報)と「履歴事項証明書」(過去の変更履歴を含む情報)があります。役員の変更頻度や商号・所在地の変更履歴は、法人の安定性を評価するうえで参考になります。

取得方法と費用

登記事項証明書は全国の法務局で取得できます。窓口での取得のほか、オンライン請求(登記・供託オンライン申請システム)を利用すれば郵送での受け取りも可能です。手数料は窓口請求で600円、オンライン請求・郵送受取で500円、オンライン請求・窓口受取で480円です。

インターネット経由の請求では、法務局の窓口に出向く手間を省けるため、大量に取得する場合や遠方の法務局管轄の物件・法人の情報を確認したい場合に便利です。申請後、数日以内に自宅や会社に郵送されます。

一般財団法人民事法務協会が運営する「登記情報提供サービス」を利用すると、インターネット上で登記情報をPDFで閲覧できます。手数料は1件332円と安価ですが、法的な証明力のある「登記事項証明書」とは異なり、あくまで参考情報という位置づけです。契約や申請などで公的な証明書の提出を求められている場合は、法務局発行の登記事項証明書が必要です。

ビジネスにおける実務上の活用

登記情報は公開情報であり、正当な理由がなくても誰でも取得できます。そのため、取引先の信用調査においては基本的な確認手段として広く利用されています。

新規取引先の与信調査では、法人の実在確認と役員構成の確認に活用されます。設立直後の法人や頻繁に役員変更が行われている法人は、与信上の注意が必要です。また、法人の目的(事業内容)が取引内容と整合しているかの確認も、与信管理の一環として重要です。

不動産取引では、売買前に対象不動産の所有権の帰属と担保権の設定状況を必ず確認します。多額の抵当権が設定されている不動産を購入する場合は、抵当権の抹消手続きが必要であり、そのための費用や手続きを事前に把握しておく必要があります。

融資申請の場面では、担保として提供する不動産の登記事項証明書の提出が求められるのが一般的です。金融機関は担保価値の評価と権利関係の確認のために、最新の登記事項証明書を取得します。

M&Aにおけるデューデリジェンスでは、対象会社の法人登記事項証明書(履歴事項証明書)を確認し、役員変更・商号変更・事業目的の変更などの履歴から、経営の変遷を把握します。BS改善の観点から不動産を活用する場面でも、担保設定状況の確認は欠かせません。

まとめ

登記簿謄本(登記事項証明書)は、不動産や法人の公的情報を確認するための基本書類です。取引先の信用調査、不動産取引、融資申請、M&Aなど、さまざまなビジネスシーンで必要となります。取得方法は窓口・オンラインの両方があり、費用は1通600円以下とリーズナブルです。実務では与信管理や権利確認の基礎ツールとして、積極的に活用することが重要です。

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